1997年にスタジオジブリで制作された長編アニメーション映画『もののけ姫』。
森を侵略する人間と阻止しようとする神々の対決を描いた作品です。
シシガミ様はストーリーの中心として登場しますが、詳しい説明もないため見終えた後でも「シシガミって何?」や「死んでしまったの?」などの謎や疑問が残ります。
そこで、この記事ではシシガミ様についてまとめてみました。
もののけ姫 シシガミ様の正体とモデル
まずは、シシガミ様の正体、モデルについて掘り下げてみましょう。
『もののけ姫』のシシ神とは何だったのか? http://t.co/IpJ8h9ByV0 #映画 pic.twitter.com/4IOh45N0dL
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こちらが昼の姿のシシガミ様です。
- 多数の角が生えた人面の鹿
- 水面を歩く
- 地面を歩くとき足元の植物が急激に成長し枯れる
などの特徴があります。
「犬神モロの君」や「猪神乙事主」などは人の言葉を話しますが、シシガミ様は作中で一切喋らず意志の疎通も無いようです。
シシガミ様が、人の言葉を話し300年以上も長生きをしている神と呼ばれるもののけ達とは違う存在だということが分かります。
シシガミは夜に巨大なデイダラボッチに姿を変えます。
『もののけ姫』でのデイダラボッチは、青い光を宿した鹿のような巨人の姿をしています。宮崎駿監督による著作『折り返し点 1997~2008』によると、夜になるとこの姿で徘徊し森を育てているとのこと。#もののけ姫 #デイダラボッチ #シシ神 pic.twitter.com/31MzZiRe6G
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こちらが夜の姿です。
この姿になるとディダラボッチと呼ばれています。
- 青白い半透明の巨大な体
- 唐草のような模様
などの特徴があります。
ディダラボッチとは日本各地に伝わる巨人の妖怪のダイダラボッチの別名です。
山や湖など作ったり地域によっては友好・敵対関係の伝承があります。
宮崎駿監督の設定資料があります。
「夜空が歩いているようであり、歩く縄文土器のようでもある」
まさに森を育て夜を象徴する存在ですね!
シシガミ様にモデルはあるの?
神道では鹿が神の使い【神使】と考えられています。
現在でも神の使いとして境内で鹿が飼われている神社があります。
宮崎駿監督は鹿と神様のイメージを結び付けたのではないでしょうか。
【とある日の鹿】
最近はこの場所で溜まってるのをよく見かけます。(圧が強い…!)#春日大社#参道#鹿 pic.twitter.com/k4dlJcUgDh
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もののけ姫 シシガミ様の名前の由来
シシと言えばイノシシが頭の中で思い浮かび「猪神乙事主」と混同したりしませんでしたか。
どちらかというと乙事主(おっことぬし)の名前の響きの方が神々しいと思います。
シシガミ様の名前について調べました。
シシという言葉は
- 肉 宍獣
- 獣 猪 鹿
などの意味があり特に猪や鹿の食用肉を指します。
直訳すると鹿の神様または獣の神様と言い換えることができます。
もののけ姫シシガミ様の首が狙われる理由
『もののけ姫』北米版BDを購入したのだけど、特典の「もののけ姫inUSA」というドキュメントで米国人インタビュアーから「ジコ坊が面白いキャラクターですね」と聞かれ、宮崎駿が「あれは多くの日本人です」と即答。 pic.twitter.com/936iqK3ZkB
— 🖖濁山ディグ太郎🖖 (@DiRRKDiGGLER) March 20, 2018
シシガミ様の首を狙うジコ坊は登場時から怪しげなキャラクターですね。
度々、名前が出てくる師匠連は天皇の直属の武装集団です。
- 先頭指揮官【唐傘連】
- 特殊砲術舞台【石火矢衆】
などがあり、ジコ坊は【唐傘連】の幹部に当たります。
シシガミ様の首に不老不死のあると彼らは信じていました。
その力を利用して権力争いやお金儲けに使うつもりだったようです。
「神殺しは怖いぞ。あいつにやってもらわにゃ」というジコ坊のセリフがあるように
祟りや呪いを恐れた彼らはエボシに殺させたかったのです。
エボシ御前は常に冷静沈着で高い身体能力を持つ、タタラ場の女性先導者です。
タタラ場を作るため師匠連から石火矢衆を借り見返りにシシガミ殺しを約束しました。
また鉄を作るために木が必要なため森を開墾したかった事から、「犬神モロの君」や「猪神乙事主」やシシガミ様などの神殺しに協力的だったわけです。
師匠連はエボシ御前に神殺しの手を汚させた後、裏切りタタラ場を襲うつもりでしたが、エボシ御前は気付いていました。
もののけ姫 シシガミ様は首を取り戻した後死んだの?
シシガミ様の首はアシタカとサンによって返されましたが、直後に朝日を浴びて周りの森やタタラ場を吹き飛ばし消失してしまいました。
サンが「シシガミ様は死んでしまった」というと、アシタカが「シシガミは死にはしないよ。生命そのものだから。生と死と2つとも持っているもの」と答えています。
公式的に発表はありませんが「犬神モロの君」や「猪神乙事主」は劇中で死んでしまいましたが、シシガミ様には死という概念がなく生と死を繰り返す自然の営みが続く限り、シシガミ様は存在するのだと思います。
まとめ
シシガミ様は終始、人間にも森を守ろうとする「もののけ」達にも中立的な傍観者のようでした。
瀕死のアシタカの傷を治したかと思えば、森のために戦い祟り神になろうとしていた乙事主の生命を奪い取りました。
自然の恵み・優しさや計り知れない恐ろしさを宮崎駿監督はシシガミ様という姿で描き出したかったのではないでしょうか。